卒業おめでとう!6年生の野球少年とご父兄へ
小学校の卒業シーズンを迎えた今、
子供さんと親御さんの悩みといえば
中学校の部活のことではないでしょうか?
小学校を卒業した後、
通学する中学校は決まっていても
中学生になったらどこで野球をするのかは
これまで一生懸命少年野球に打ち込んできた
子供さんと親御さんなら、
とても悩むところだと思います。
●進学する中学校の野球部に入るのか?
●地元の外野球チームに入るのか?
●強豪と言われるチームに入るのか?
●そもそも野球を続けるのか?
子供さんの夢や親御さんの考えだけでなく、
野球をする環境や
野球にかかる金銭的な問題も含め
しっかり考えて答えを出さないと、
子供さんの中学3年間という
貴重な時間をムダにしてしまいます。
我が家には3人息子がいますが、
長男は地元の公立中学校の軟式野球部で、
二人の弟は地元を拠点とする
リトルシニアのクラブチームで
3年間お世話になりました。
そこで、
3人の息子たちや仲間、
私やママ友たちが考えた
中学野球についてお話しします。
少しでもお子さんと親御さんの
お役に立てると幸いです。
中学野球、やる?それとも違うスポーツに挑戦する?
楽しいことも苦しいことも
親子でたくさんの経験をさせてくれた
少年野球。
あなたの子供さんは
これから中学生になっても
野球を続けたいと考えていますか?
子供さんと一緒に少年野球に
打ち込んできた親御さんなら、
これからも野球を続けてほしい!
という気持ちがあるかもしれませんね。
ですが、少年野球を頑張ってきた
子供たち全員が、「野球を続けたい」
と思っている訳ではありません。
中学校の部活には、
小学生で経験できなかったスポーツが
たくさんあります。
スポーツ以外の文化系にも
人気のある部活もいろいろあるでしょう。
中学校に入るとすぐに、
「部活体験」という期間があります。
子供さんの興味がある部活に
どんどんお試し参加をして
体験してみるといいですよ!
新しい体験ができるだけでなく、
これから中学校生活を楽しく過ごす
先輩たちとの相性も知ることができます。
お子さんが「やりたい!」
と言った部活を理解して、
協力してあげてほしいと思います。
中学でも野球やりたい!硬式か軟式、どっちやる?
もし、あなたの子供さんが
「中学校でも野球がしたい!」
ということであれば、
ここで1つの分かれ道が待っています。
それは
「中学校の軟式野球部」で部活に参加するか、
「外部の硬式野球チーム」に所属するか
という選択肢です。
まれに、私立の中学校では
軟式野球と硬式野球の中間に当たる
「準硬式野球」の部活もあります。
しかし、多くの場合、
「軟式野球」か「硬式野球」の
どちらかを選ぶことになります。
楽しくワイワイ学校の仲間と
野球を楽しみたいのか?
甲子園を目指して
本気で野球に取り組みたいのか?
子供さんの希望が1番大事ですが、
親としては気持ちの問題だけでは
済まない部分があります。
それは・・・
●子供さんの体や成長の問題
●野球にかかるお金の問題
●野球に協力できる家庭環境の問題
それぞれどのような問題があるのか
みていきましょう。
子供さんの体や成長の問題
身長が低い、体格が小さい、
筋力がない、太っているなど
子供それぞれに悩みはつきものです。
特に、中学生の男子は差が激しく
女子のように華奢な子供もいれば、
大人並みに成長が早く、
ガタイのしっかりした子供もいます。
軟式野球も硬式野球も、
ボールを投げる、打つという
ルールは変わりませんが、
大きな違いが1つあります。
それは使用するボールです。
軟式野球の場合は、
少年野球時代と同じゴムボールで
サイズがC級からA級に変わります。
なお、中学生は、
平成31年度全国中学校軟式野球大会より
新規格のM号が使用予定です。
(A球・B球が統合されM号球に、
C球はJ号球へと変わります。)
硬式野球の場合は、
ボールの芯にコルク、ゴムが入っていて
その周りに糸を巻きつけて
牛皮で包んでいるため
とても重く、大きいです。
そのため、
子供の体にかかる負担は当然大きくなり、
ひじや肩の怪我の原因になることが
考えられます。
張り切って練習しすぎたおかげで、
夏の大会が始まる前に
ひじや肩を故障してしまった・・・
という子供が実際にあとを絶ちません。
ご存知の通り、一旦ケガをしてしまうと
完治するまで長い時間がかかります。
こんな辛い目に遭わないためにも、
軟式ボールで野球をするのか、
硬式ボールで野球をするのかは
しっかり考えてくださいね。
野球にかかるお金の問題
野球にはユニフォームが絶対に必要です。
中学校やクラブチームの
試合用ユニフォームはもちろん、
スパイク、チームでお揃いのバッグや
防寒ジャンバー、アップシューズなどなど
野球ほど、最初の備品購入に
お金がかかるスポーツはないかもしれませんね。
これらの備品は、
中学校の軟式野球部であっても
外部のクラブチームであっても
絶対に必要ですので
購入しなければなりません。
ですが、中学校の軟式野球部の場合、
最初に備品を購入したら
あとはそれほどお金がかかることは
ありません。
お金がかかるとしたら、
練習試合や公式戦の移動にかかる交通費や
合宿代、夏場の飲料代くらいでしょう。
公立中学校の野球部の中でも、
全国レベルの強豪チームの場合は、
県外での試合も増えるので
その辺りの遠征費はかかると
考えておくといいですね。
少年野球のように、指導者にお茶を出したり、
子供に親がドリンクを与えたりすることはなく、
選手は自分のことは自分でするようになります。
そのため、親の負担は激減し、
純粋に子供が野球をしている姿を楽しめますよ。
一方、硬式クラブチームはお金がかかります。
チームによって金額の差はありますが、
とにかく少年野球でかかっていたお金の
何倍、何十倍!
万単位、強豪チームであれば何十万単位で
お金が飛んでいきます!!!
チームの運営費、交通費、父母会費、
遠征費、合宿代、父兄用ジャンバー、
応援Tシャツなどなど、
春夏秋冬、1年通してお金がかかる
と言っても過言ではありません。。。
学習塾に通うことを考えると
塾代の何倍もの金額がかかってきます。
硬式クラブチームで野球をするなら、
お金の覚悟は必須です。
さらに言えば、
強豪チームになればなるほど、
かかるお金は倍増します!!!
なぜなら、全国レベルで戦えるチームは
全国大会で地方遠征があります。
そして、週末の練習試合であっても
力のあるチームを探して遠方へ出かけます。
遠方への遠征にはとうぜん交通費や
宿泊費がかかりますので
親の金銭的な負担が莫大に増える
というわけです。
野球に協力できる家庭環境の問題
子供さんが硬式クラブチームで野球をするなら、
親御さんの協力が必須です。
はっきり言って、
少年野球以上に親の協力が必要です。
日本中の全ての硬式クラブチームが
そうだとは言い切れませんが
ほとんどのチームで
親が子供の練習をお手伝いすることは
当たり前となっています。
早朝に親がすること
子供用にお弁当(ドカベン)を作る。
1つ目のタッパーには白ご飯を詰める。
2つ目のタッパーにはおかずを詰める。
捕食としておにぎりを3個持参。
夏場のお茶は2L以上を持たせること。
冬場には炊き出しが必須のため
材料を準備して持たせ、母たちで作る。
夜に親がすること
黒土で汚れたドロドロのユニフォームを洗濯。
練習日に親がすること
父兄の当番制を取っているチームがほとんどです。
●選手の怪我や体調の管理
●お茶やスポーツドリンクの手配
●監督やコーチのお昼ご飯の用意
●破れたボールの補修
●ティーバッティング用のボールの補修
●グランド整備(父)
●グランドから出たボール探し
●練習試合の審判(父)
●チームバスの運転(父)
●ライバルチームの視察
●バッティングマシンの補給
●グランド内での補球の手伝いなどなど
子供と同じように頑張らなければなりません!!!
試合日に親がすること
大切な公式戦は「父兄の全員参加(全参)」
を言われるチームもあります。
また、試合のウグイス嬢は
お母さんの仕事です。
練習試合ではお父さんたちが審判をします。
硬式クラブチームの運営は、
全てボランティアで行われています。
基本的に、指導者に
お金を払うことはありません。
子供たちが一生懸命練習に打ち込めて
スムーズなチーム運営をするためには
父兄の協力が必須なのです。
最近では、親の負担を考慮して
父兄のお手伝いは一切ない代わりに
高い会費でまかなっているチームもあります。
いずれにせよ、チームに
子供を預けっぱなしにはできないため、
何かしらの協力が必要です。
中学校の学校行事はどうする?
また、クラブチームは主に
土日祝に練習があるため、
中学校の土曜授業や学校行事と
バッティングすることがあります。
シニアチームの公式戦の場合、
中学校の校長先生の判断で
公休扱いにしてくれる学校もあるようです。
我が家の場合は、基本的に「学校優先」で
通常練習は休んでいました。
ただし、大切な公式戦の日は
「野球優先」で学校を休んでいました。
中学校の担任の先生には
硬式野球の活動を理解してもらっていたので
大きなトラブルもなく、
3年間を終えることができました。
野球少年を育てる親として思うこと
硬式野球チームの内情を知ってしまうと
親の負担ばかり目につき
硬式野球のメリットはが
なかなか感じられないかもしれません。
はっきり言って、
少年野球と中学の硬式クラブチーム、
高校野球を比べてみると、
親的には中学の硬式クラブチーム時代が
一番キツイです。
だからこそ、生半可な気持ちで
硬式クラブチームに入れるべきではないし、
子供も中途半端な気持ちで硬式クラブチームに
入るべきではないと私は思います。
ですが、硬式クラブチームの野球は
辛いことばかりではありません。
親子共々、同じ志を持った仲間ができるし、
いろいろな楽しい経験や
思い出もたくさんできます。
中学校の軟式野球部でも、
外部の硬式クラブチームでも、
子供さんが楽しく目標を持って野球ができることが
何よりも大事です。
中学3年間という大切な時期を
どのように野球と接して過ごすのか、
子供さんとよく話し合って決めてくださいね。