高校受験のトップシーズンより少し早い11月には、スポーツ推薦などの特別推薦で高校合格の内定を決める中学生が出てきます。
大学受験の場合も同じように、一般入試に先駆けて特別推薦や一般推薦入、AO入試の受験で合格し、4月からの新しい進路が決まる子供達がどんどん増えてきます。
>高校野球を現役引退した後の進路について親子で考えること【大学編】
高校受験や大学受験をスポーツ推薦や特別推薦、AO入試で受験し、合格した野球部の子供達は、それぞれ次のステップである高校や大学でも野球を続けることでしょう。
新しい環境となる高校や大学が、自宅から遠く離れた他府県にある子供もたくさんいます。
そんな子供達が新しく生活する場となるのが学生寮や下宿です。多くの場合、野球推薦で合格した子供達が入寮するのは『硬式野球部の寮』で、同じ寮で生活する仲間は同じ野球部のチームメートとなります。
初めての寮生活で子供が困らないために、どんなことを準備しておけばいいのでしょう?
ここでは、学生寮で生活をするための入寮準備について一般的な流れをお伝えします。
私やママ友の経験談をもとにお話ししますが、全ての高校や大学に当てはまるわけではありません。新しい環境で野球に取り組む中学3年生と高校3年生の入寮の参考になれば幸いです。
高校野球・大学野球の入寮準備の始め方
進学先の高校・大学から「入寮のご案内」が届く
進学先の高校・大学から届く入寮案内には主に次のような事項が記載されています。
●寮の所在地
●入寮日
●入寮時に必要なもの
●入寮に関してお世話をしてくれる担当者と連絡先
●寮の様子(写真やパンフレット)
●布団に関する情報
●大学によっては自転車など生活に必要となるものの斡旋
●寮の所在地
入寮する寮の住所や、簡単なアクセス方法が記載されています。
入寮に必要な荷物を送るときや、自家用車で寮まで移動し、荷物を運ぶ場合など、正確な住所が必要ですので、あらかじめ寮の位置確認をしておきましょう。
●入寮日
入寮する部屋に荷物を持ち込む日程が決められています。
3〜4日ほど数日間余裕のある学校もあれば、入寮日は1日限定で○月○日○○:○○~○○:○○までと日にちと時間帯を細かく指定する学校もあります。
入寮日が変更になることはほぼありませんので、子供さんの入寮をお手伝いされる親御さんは仕事の調整をしてあげてくださいね。
また、荷物を宅配便などで発送する場合、受入日を指定されることがあります。着荷日の時間指定をして荷物を発送してくださいね。
●入寮時に必要なもの
寮生活に最低限必要なものが記載されています。また、持ち込んではいけないNGのものの注意書きがありますので必ず守りましょう。
入寮する部屋が一人部屋の場合と、先輩・同僚との相部屋の場合では、持ち込む品物と量がかなり変わってきます。
また、部屋も大きいとは限りませんし、掃除や片付けをするのは当の子供達です。
荷物が大量になると置き場所に困ったり紛失するといった問題が発生しますので、できるだけ荷物は最小限にしてコンパクトにまとめましょう。
●入寮に関してお世話をしてくれる担当者と連絡先
野球部の監督・部長の名前の他に、寮で子供達のお世話をしてくれる舎監や大学の場合、マネージャーの名前が記載されています。当日の連絡先と一緒に必ず控えておきましょう。
●布団に関する情報
寮によっては、布団を新しく購入またはレンタルできることがあります。布団は入寮時に持ち運ぶにはとてもかさばるものですので、新しく新調する場合は寮が斡旋してくれる布団を購入するのもいいですね。
シーツなどの洗濯が要らないように1〜2週間に1回ほどシーツやマットの交換レンタルを採用している学校もあります。
●自転車など生活に必要となるものの斡旋
高校の場合、寮から学校が離れた場所にあるとスクールバスを運行していることが多いため、自転車は不要です。
大学の場合、大学で受ける授業は個人で違いますので、寮から大学までの通学のためのスクールバスはありません。そのため、個人で自転車通学する人がたくさんいます。オフの日など遊びに行くにも自転車がある方が便利ですね。
ただ、自転車も入寮時に持ち運ぶにはとてもかさばるものですので、現地で調達する人も多く、自転車やさんが入寮特別価格で斡旋してくれるケースがあります。
入寮に必要な荷物の持ち込み方
入寮に必要なものは、下着や歯磨きセットといった細々としたものから、衣類を収納する衣装ケースなど大きくかさばるものまで様々です。
入寮日は、2〜3日余裕のある学校もあれば、その日1日だけという学校もありますので抜けないように余裕をもって準備しておきましょう。
入寮のために荷物を持ち込む方法
●宅配便の指定日着で送る
●自家用車で持ち込む
●引越し屋さんに頼む
●宅配便の指定日着で送る
宅配便で荷物を送る場合、寮で受け取りをしてもらわなければなりません。基本的には入寮に関してお世話をしてくれる舎監やマネージャーが受け取りのサインをしてくれますが、前もって着荷日と個数を連絡して受け取ってもらえるようにお願いしておきましょう。
<衣類や細かいものを送る場合>
荷物を段ボールに詰め込んで、ゆうパックやクロネコヤマト便などで送ります。個数がたくさんになるので各社の割引サービスを利用することをオススメします。
私のオススメはゆうパックの「スマホ割」です。
ゆうパックには、「スマホ割」というサービスがあります。
スマホにアプリを入れて荷物を発送する予約ができるアプリで、荷物1個の基本運賃から180円の割引があります。
送り先や受取人、出荷元の情報などをアプリに入力すると、宛名書きなど一切不要でQRコードから送り状を出すことができます。
郵便局からしか発送できませんが、1年間に10個以上の発送があった場合には「継続利用割引」が適用され、さらに運賃から10%の割引となります。
>ゆうパックスマホ割のアプリはこちらからダウンロードできます。
iPhoneユーザーの方
クロネコヤマト便にも割引サービスがあり、クロネコメンバーズになるとさらに割引が多く受けられます。
「持込割」ではヤマト運輸直営店・コンビニストア・取扱店へ直接お荷物を持ち込みすると荷物1個につき100円割引してもらえます。
クロネコメンバーズならさらにヤマト運輸直営店に持ち込みすれば持込割100円に加え、+50円割引となります。
詳しくはクロネコヤマト便の公式サイトをご確認ください。
<衣装ケースや家具など大きなものを送る場合>
ゆうパックやクロネコヤマト便は荷物のたて+横+高さの3辺の合計で運賃が決まるので衣装ケースや家具など大きなものを送るには適していません。
衣装ケースや家具など大きなものは、新しく新調し購入した家具屋さんから直接寮に送ってもらうか、インターネットで注文して寮に直接送ってもらうようにします。
その場合、寮で受け取りをしてもらわなければなりませんので、前もってお世話をしてくれる舎監やマネージャーに荷物を受け取ってもらえるようお願いしておきましょう。
また、寮の場所がよほどのへき地でない限り、現地で家具や大きいものを調達するのも1つの方法です。
ただ、入寮日が決まっているため、同じことを考えている人がたくさんいたら目的の品物は売り切れている可能性があります。
私の場合、部屋で洗濯物を干す突っ張り棒タイプの物干し竿を現地のホームセンターで購入する予定だったのですが、すでに多くの先着者が購入していたため売り切れていました。
カーテンやラグ、洗濯カゴなど、売り切れや趣味に合わないものしか在庫がないということもありますので、現地購入は最終手段として考えておきましょう。
荷物を宅配便で寮まで届けてもらったら人間は電車や飛行機、自家用車で身軽に寮に向かうことができます。
●自家用車で持ち込む
入寮生活に必要なものを車に詰め込み、子供と一緒に自宅から寮まで向かいます。自家用車で荷物が乗り切れない場合は、ワゴン車に乗っているお友達に車を借りたり、レンタカーを利用しましょう。
自家用車で荷物を持ち込む場合、荷物の出し入れや車の運転など、手間がかかりますが、一番お金を節約できます。
自宅から1200km離れた寮に住むことになったチームメイトの家族は、15時間かけて車で移動したそうですが、そんな長旅を息子と一緒にできるなんてこれが最初で最後だと旅行気分で楽しんでいました。
道中にある様々なサービスエリアでご当地グルメやお土産を探したりする楽しみができますね。
●引越し屋さんに頼む
入寮に際し、持ち込む荷物はさほど多くはありませんので、引っ越し屋さんを使う人は見かけません。
入寮当日の注意事項
父兄は寮内立ち入り禁止
入寮当日は、子供と一緒に寮に入り、荷物の持ち運びができる学校と、子供以外は立ち入り禁止の学校があります。
親御さんが寮内に入れる場合は、実際に子供が生活する部屋や寮の設備を自分の目で確認できるので、何が必要なのかを子供と一緒に考えることができますが、保護者立ち入り禁止の場合は、全て子供に任せるしかありません。
保護者立ち入り禁止の場合は、入寮準備を舎監やマネージャーを中心に、野球部の先輩たちが手伝ってくれますので心配いりません。
スマホもありますので、写真を送ってもらえれば足りないものは準備してあげることができますし、子供は子供で、先輩達からいろいろな情報を仕入れてなんとかやっていきます。
昼食・夕食の準備
入寮日は、時間帯によっては寮で食事を摂ることができませんので、寮に入る前にしっかり食事をしておきましょう。寮の部屋では飲食禁止の学校もありますので、親の勝手な判断で食べ物を持ち込むことはしないようにしましょう。
入寮当日に足りないものが見つかった時
いざ、入寮当日に荷物を持ち込みして「あれがない!これがない!」ということに気がつきます。足りないものは必ず出てきますので、親御さんが入寮の手伝いをできる学校の場合は、寮の近くのホームセンターやニトリなどの家具屋さんをあらかじめ下調べしておくといいですよ。
足りないものは車を走らせて、当日に現地で調達することが可能です。ただ、他の人も足りないものは大体同じで、同じよう買いに走るので、目的のものがすでに売り切れの場合があります。
また、足りないものをリストアップして、後日まとめて寮に送るか、インターネットで注文して直接、寮に送ることもできます。
ただし、荷物を発送する場合、寮で受け取りをしてもらわなければなりませんので、舎監やマネージャーが受け取ってくれるのか、本人が受け取らないといけないのかなど、前もって受け取り状況の確認をしておきましょう。
また、まれにインターネット通販を禁止している学校もありますので、子供の迷惑にならないように一度寮に確認しておくことをオススメします。
入寮当日にあると便利なもの
・メジャー
洗濯物用の物干し竿の長さ、家具を置く空間、カーペットの面積を測るのに必要です。
・雑巾、掃除機
掃除機を設置している寮もありますが、基本的には個人で準備します。小さなスティック型掃除機やハンディクリーナーで十分です。
・ドライバー・ネジまわしなどの工具
組み立て式の家具や突っ張り棒を設置する時にあると便利です。
・軍手
引っ越し作業には必須です。
野球部の入寮に必要なものは口コミで情報収集するのが一番!
学校から届く入寮案内には、「ホントにこれだけでいいの?」という最低限の事しか書かれていないと考えておきましょう。
詳しく知りたいと思ってインターネットで調べても、おそらく欲しい情報はなかなか出てこないものです。
なぜなら、高校も大学も、野球部がらみの情報をSNSへ投稿することを禁止している学校が多いからです。
子供達が一般公開しているSNSに投稿することはもちろんNGですが、保護者に対しても同じです。SNS投稿禁止のルールを子供たちが守っているのに、親がルール違反をすることは断じてできません。
だからこそ、リアルでつながっている子供たちの先輩や先輩ママ友、先輩パパ友との口コミ情報が一番、役に立つのです。
同じ野球チームの先輩や先輩父兄、学校説明会で知り合った人などを頼りにして、気になることを教えてもらうといいですね。
親の私たちの頭では想像もできないような愉快で厳しい子供達の生活の実態を知ることができます。
もし、あなたの周りで話ができるような先輩がいないということであれば、ぜひ、お問い合わせフォームから私にご連絡ください。
子供達の新しい学生生活が素晴らしいものになり、楽しく野球ができますように!