慣れない硬球や練習のしすぎで故障してしまう子供
憧れの高校で野球ができる!その楽しみは子供本人だけでなく私たち親にとっても楽しみですよね。初めて硬球を手にする子供もいるでしょうし、憧れの高校のユニフォームに袖を通す緊張感はとてつもなくテンションが上がるものだと思います。
これまで以上に、気合の入っている子供たち。でもここで気をつけないといけないのが『ケガ』です。実際に、慣れない硬球の扱いや、練習のしすぎで肘や肩、腰を故障してしまう子供はたくさんいます。
整形外科と鍼灸院に通い治療することで治るケガもありますが、やむを得ず手術を必要とするケガもあります。どのようなケガであれ、本格的な野球の練習は長期間控えなければなりませんし、ケガの程度によっては選手生命さえ危ぶまれる可能性もあります。
高校のスポーツ推薦で入学した子供が野球でケガをしたら退学?
そこで、気になるのが、スポーツ推薦で入学した場合、野球でケガをしたら学校を退学しないといけないのか?ということです。
結論から言うと、この答えは1つではありません。
ケガをした本人の気持ち、野球部の環境、入学時の条件によって答えはたくさんあります。
野球でケガをしても、しっかりリハビリをして選手として復帰できれば何も問題はありません。
ただ、不運にも「選手として復帰することが難しい」と本人、親、指導者、医師が判断した場合はよく考えなければいけません。
高校野球は選手以外にも道がある
例えば、選手としてプレーできなくても、野球部に所属して野球に携わることはできます。
それは、記録員やマネージャー、学生コーチとして指導者のお手伝いをしながらチームを支えると言う役目につくことです。ただ、いくら周りがそのように勧めてもケガをした本人に強い気持ちがなければどうにもなりません。
事実、これまでプレーヤーとして参加していた野球の第一線を離れてしまうことになりますので、高校生の子供にはとても辛い選択かもしれませんね。
野球選手としての第一線を離れて、その次に何をするかは本人と監督はじめ指導者、そして親の3者がしっかり考えていくしかないでしょう。
また、学校側との話し合いもありますが、野球を続けないと言う結論を出した場合は、野球部を退部して特待生の条件を返上し一般生徒として学校に残ると言うケースもあります。
高校野球で寮生活をする子供と自宅生との違い
しかし、このようなケースは自宅から高校に通っている子供と、寮生活をしている子供ではまた変わってきます。寮生活をしている子供には少し厳しい話かもしれません。
なぜなら、子供たちが生活しているのは「野球部の寮」だからです。もちろん、野球選手としての第一線を離れても、記録員やマネージャー、学生コーチとしてチームを支える役目に回ると決めたのなら、その子供は立派な野球部員です。
しかし、野球を続けない=退部すると言う結論を出した場合は、その子供の居場所がありません。自宅から遠く離れて野球部の寮で生活をしている子供が、野球部を辞めてしまったら生活する場所がなくなってしまうのです。
このような理由から、やむなく学校を退学し、地元の高校に転校したと言う子供を私は知っています。強豪校からの転校でしたが、今では高校を卒業し、草野球チームに所属して、仕事をしながら硬式クラブチームで後輩の面倒をよく見てくれていますよ。
悲観的にならず、親が俯瞰的にその状態を理解すること
一生懸命、野球に取り組んでいれば、いろんなケガや体の不調、トラブルに巻き込まれることはあります。そんな時、決して悲観的にならず、まずは親が俯瞰的にその状態を理解して、子供にアドバイスしてあげるのが大事かと思います。がんばる子供と一緒に親もがんばりましょう!